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24~彩猫のお産第3日目~

お産はリアルタイムで進行中・・・

4月10日 

00:30 
破水から2日目。今日中に赤ちゃんを産まなければならない。
もし子宮口の開きが悪く、陣痛も定期的にこなければ帝王切開になる予定。
陣痛は10分、15分、20分間隔と、不規則。
でも痛みは確実に強くなっている。
ヒーヒーフーの呼吸法でなんとか乗り切る。

でも陣痛の痛みで起きてしまうので、なかなか寝付けない。 
胎動は相変わらず激しい。
たまちゃんが動いたあとに陣痛が来ることもある。
これって、たまちゃんが骨盤に入ろうとして旋回している証拠かもしれない。
たまちゃんは破水からこの2日間、闘っているんだよね。
しんどくないのかな?大丈夫かな?
陣痛が来るたびに、たまちゃんも苦しんでいるんじゃないのかな?
そう思うと「帝王切開でイイや」と投げやりになっている自分が情けない。
とにかく元気な姿でご対面しようね、と言い聞かせ眠りにつく。

6:30 
陣痛が弱まる。なぜ?
おかげでほんの少しだけ眠れた。

外は雨。
「なんだかんだ言っても、今日で決着がつくね」と助産師さんに励まされる。
赤ちゃんはだいぶ下の方まで降りてきているみたい。
たまちゃん、がんばったね。生まれてきたら褒めてあげよう。

呼吸法はヒーヒーフーよりも、フーだけとのこと。
ロウソクの火を消すように、ゆっくり時間をかけてフー。
正しい呼吸法を教えてもらい、ホッとした。

院長の内診あり。今日も陣痛促進剤を投与される。
さらに細菌感染予防の点滴も。

内診後、院長から
「破水したといっても、それほど大量でもないし、
 細菌感染の可能性がなければ、明日までお産を引き伸ばすかもしれません。
 まずは羊水が感染しているかどうか、検査しますね」と言われる。

え?今日で終わりと思っていたお産が、明日まで延びるの?ショック・・・。
今日中になんとかして産みたいよぅ。 

7:00 
陣痛が規則正しくなってきた。強さも増す。
ベテラン助産師の指導のもと、陣痛がきたらとにかく歩きなさい、と言われる。
狭い院内をひたすら歩く。 

13:00 
しげおが病室に来てくれた。
早速、散歩に付き合ってもらい、陣痛がきたら、痛み逃しのために腰をさすってもらう。
陣痛の痛さに耐えられないので、しげおとまともな会話もできない。
ごめん・・・。

さらに破水&おしるしが続き、パンツの中、とっても気持ちが悪い。
ちなみに入院してからは、大人用の紙おむつのようなバースショーツに、
産褥パッド(Lサイズ)のみを着用。
ゆるゆるだし、破水するとその羊水の重さでパンツが下に落ちていくし、
ほんと重病の患者みたい。

こんな無様な姿、しげおに見られたくない、という気持ちになり、
立会いも止めてもらおうか、と思う。 

16:30 
陣痛がきつくなり、分娩室へ。
このまま病室には戻れない様子。今日中に産むんだな、と確信する。

しかし、陣痛はもっと痛くなるとのことだし、
最後、いきむときはもっと怖いことになりそう。
そう思うと不安で不安でどうしようもなくなり、泣いてしまう。

お腹の中では相変わらず強い胎動を感じる。
たまちゃんは、がんばって下に降りてこようとしているのに、
私がこんな弱気になってどうする?
妊娠初期から、たまちゃんに幾度となく勇気付けられてきたことを思うと、
たまちゃんのために最後の最後で頑張れない自分が悔しくて、余計に涙が溢れた。 

17:00 
分娩室に入ると、助産師総長のおばちゃんが居た。
2日間の入院生活の中で、ようやく光が見えた。
というか、私はとてもラッキーな人間だ。
助産師総長の手によって分娩できることは、幸福以外の何ものでもない。
妊婦によっては、この助産師総長さんを指名することもあるくらい凄腕の助産師。

何がすごいって、陣痛の痛み逃しの方法が違う。
彼女の痛み逃しは、下腹をぎゅっと圧迫するだけ。
陣痛の痛みがパッと消える。陣痛がなくなるわけではなく、痛みが消えるのだ。
おかげで呼吸も楽になるし、精神的に安定する。
さすが助産師総長は、ゴットハンドだ。
これから先、お産が終わるまで、この人の言うことを聞けば大丈夫!と思えた。
このときばかりは、陣痛の痛みや分娩に対する恐怖よりも感動でいっぱいだった。 

17:30 
隣の分娩室に妊婦が担ぎこまれる。
30分もかからないうちにオギャーという赤ちゃんの声が聞こえる。
またもや先を越されたか。
「早いですね」と看護師に言うと「経産婦さんだからねー」とのこと。
私も早くたまちゃんの声が聞きたい。 

18:00 
陣痛がきつくなり、子宮口もだいぶ開いたとのこと。
痛み逃しのために、しげおが分娩室に呼ばれる。
早速、腰をさすってもらう。
「そこじゃない!もっと下!」
「さすりながら身体を支えて!」と命令ばかりしてしまう。ごめんなさい。

19:00 
陣痛と同時にいきむ動作に移る。
おかげで子宮口が全開(10センチ)になった。やった!

思わず
「これで、私はお産の何%をクリアしたことになるのでしょうか?
 あと何%がんばれば、産まれてくるのでしょうか?」と聞いてみた。

「ここまできたら、あと30%くらい頑張ればいいよ」
との回答を期待したのだが、結果はドボン。
「え?これからやで。ようやくスタートラインに立ったんやで」
とゴットハンド助産師に笑われる。ショックで気絶しそうになった。 

20:00 
いきみの動作、なかなかうまくいかない。
そんなとき
「出産って鼻からスイカを出すようなものだよ」という友人の言葉を思い出す。
まさか、鼻からスイカだなんて大げさな!なんて、妊娠中は思っていたが、
この言葉に嘘偽りがないことがわかる。
というか、陣痛&いきみで肉体的に厳しい状況に立っていながらも、
こんなバカなことを思い出している自分にビックリした。

さらに、前夜あまり眠れなかったつけがきた。眠い。とっても眠いのだ。
陣痛がきているときはさすがに起きていきむけど、
それ以外のときは、分娩台で白目むいて爆粋。
いびきが出ていたのでは?と思うくらいぐったり眠った。
おかげで助産師さんが
「赤ちゃんの体重はどれくらいだっけ?」
「赤ちゃんは女の子?男の子?名前は決まったの?」
といった問いかけに答えられない。
私の代わりにしげおが返答してくれた模様。ありがとう。
 
院長が外来の診察を終え、分娩室に到着。
助産師たちと歓談しながら、指示を出す。
私がヘトヘトになっているというのに、のんびりした雰囲気だ。

会陰切開の準備が始められた。
院長「麻酔しまーす」。
私「イタッ」。
やはり麻酔は苦手だ。

その後、吸引装置が持ち込まれた。
「シリコンなので大丈夫です」とかなんとか説明されたが、
もうココまできたら、なんでもやってくれ!「はい、お願いします」と答える。 

会陰切開され、掃除機の音が聞こえる。 

21:15 
突如、側にいた看護師に
「下を向きなさい!力を抜きなさい!」と言われて、ハッとして目覚める。
しげおが「生まれたよ!」と言う。
信じられずに下を見ると、くしゃくしゃになった赤ちゃんが居た。
正直、自分の身体から生まれた実感が湧かない。
どこからか、連れてこられたような感じ。
でもこの赤ちゃんは明らかにたまちゃんなのだ。 

「よくがんばったね!えらいね!」とたまちゃんを褒めてあげる。
ずっとずっと言いたかったセリフだった。本当に言えてよかった。
しげおは「彩猫よくがんばったね!」と褒めてくれた。
しげおもいっぱいいっぱいがんばってくれたのにね。
分娩室で相当のエネルギー費やしたのにね、労わってくれてありがとう。

でもなぜか、この褒めの言葉に、私は「ハイ!」と敬語で返事をしたらしい。
大きな仕事を終えた後の気分だったのかもしれない。 

21:30  
会陰切開したところを縫ってもらう。
痛い。正直痛かった。しかも相当時間がかかっている模様。
どうも会陰切開する前に、複雑に裂けたらしい。 

しげおとたまちゃんと3人で記念撮影。
顔は超音波写真で見たとおりだった。
カワイイとは言えないくらいぷっくりとした下膨れの顔。
男女の区別が付かないくらい動物の顔に、正直、言葉を失う。

初乳を吸わせる。
ゴットハンド助産師が私の乳首をつまみ初乳を出す。
出てきた初乳にしげお、ビビる。
そんなしげおを見て、私がビビる。
おいおい、私、妊娠中から「出たよ」って話していたじゃないか。
しげおが私を見る目が変わっていくのを感じた。
もう一人の女の子ではなく「お母ちゃん」として見られているような気がした。
悲しいことだけど、これが事実なのかもしれない。
たまちゃんにとっては、一人の女の子よりも「お母ちゃん」が必要なのだから。 

しげお帰宅。
今日はほとんど会話できなかったけど、
また落ち着いたら今日のことを思い出していっぱい話ししようと思う。

分娩台に一人取り残され、2時間ほど休憩する。
お産が終わった妊婦は、一つの物体に過ぎない。
院長、助産師、看護師たちが、お産の後始末に走り、
私の身体を労わってくれる人は誰一人いない。 

子宮が収縮する痛み(いわゆる後陣痛)と会陰切開の痛み、
そしてオシモ(いわゆる痔)のトリプル苦が襲ってくる。
とてもじゃないけど3つの痛みには耐えられないので痛み止めの薬を処方してもらう。 

眠れない。昨晩ほとんど寝ていないにも関わらず、眠れない。
今しがた終わったお産の様子がリアルに思い出される。
ちょっとした興奮状態だ。 

23:00 
病室に戻る。
病室には、しげおから「お疲れさまでした」の暖かい手紙が。
ありがとう。涙がポロリと流れた。 
 
4日目へと続く


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プロフィール

Author:彩猫
3姉妹の育児生活は、毎日、笑いあり、涙あり、怒りあり(!)の吉本新喜劇そのもの。泣いているばかりでもあかんし、笑っているだけもつまんない。今しか味わえないそんな波乱万丈の日々を、ぼちぼち綴っています。

★ビンボーおもちゃ作り、ならびに、ビンボー遊び を考え、製作しています。ビンボー臭く、でも、楽しい遊びを、これからも紹介していきます。

よろしくお願いいたします。

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